和の中抜けとは?分数や連続整数の積の総和を求める方法を例題付きで紹介!

2018-10-24

この記事を読むとわかること

・数列の和の中抜けとはどんな手法か

・分数数列の総和の求め方

・連続整数の積の総和の和の中抜けを用いた求め方

・等差数列×等比数列の総和の和の中抜けを用いた求め方

和の中抜けとは

g(k+1)-g(k)を満たす関数g(k)を探して総和を求める方法

和の中抜けとは、数列の一般項をg(k+1)g(k)g(k+1)-g(k)の形に変形できるような関数g(k)g(k)を探し、そのようなg(k)g(k)は、

k=1n{g(k+1)g(k)}=g(n+1)g(n)+g(n)g(n1)+g(2)g(1)=g(n+1)g(1)\begin{align*}&\sum_{k=1}^{n}\{g(k+1)-g(k)\}\\=&g(n+1)-g(n)+g(n)-g(n-1)\cdots+g(2)-g(1)\\=&g(n+1)-g(1)\end{align*}

を満たすことを利用して、数列の総和を求める手法です。

 

和の中抜けという名前を知らなくても、同じ手法を使ったことがあるという人は多いのではないかと思います。

数列の総和の公式が使えないときに和の中抜けは有効

和の中抜けは、数列の総和の公式を使えない場面で非常に有効です。たとえば、等差数列や等比数列は公式があるので、簡単に総和を計算することができますが、分数数列やk4k^4が含まれるような数列になると、公式を用いることができなくなります。

 

公式が使えない場面で、和の中抜けを用いることによって簡単に数列の総和が求まる例を以下で紹介していこうと思います。

和の中抜けが有効な例3つ

和の中抜けを用いることによって、総和を求められる有名な例を3つ挙げます。

和の中抜けが有効な3パターン!

・分数数列の総和

・連続整数の積の総和

・等差数列×等比数列の総和

それぞれについて例題付きで説明していきます。

分数数列の総和

分数数列の総和を求める問題としては以下のような例題があります。

k=1n1k(k+1)\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+1)}

を計算せよ。

分数数列は、数列の和を求める公式がないため、和の中抜けを利用することになります。

分数数列の総和は和の中抜けを使って求める!

 

1k(k+1)=1k1k+1\frac{1}{k(k+1)}=\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}

と変形できることから、g(k)=1kg(k)=-\frac{1}{k}とすれば和の中抜けが使える形になっていることが分かりますね。

答案を作ると以下のようになります。

k=1n1k(k+1)=k=1n{1k1k+1}=11n+1\sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k(k+1)}=\sum_{k=1}^{n}\left\{\frac{1}{k}-\frac{1}{k+1}\right\}=\boldsymbol{1-\frac{1}{n+1}}

連続整数の積の総和

連続整数の積の総和を求める問題としては以下のような例題があります。

k=1nk(k+1)(k+2)(k+3)\sum_{k=1}^{n}k(k+1)(k+2)(k+3)

を計算せよ。

連続整数の積の総和は、展開してからシグマ公式を用いて計算することも可能ですが、和の中抜けを用いることで劇的に早く計算ができるようになります

連続整数の積の総和は展開して公式を用いるよりも、和の中抜けを用いた方が圧倒的にはやい!

 

特に、高校数学の教科書では習わないk4k^4が出てくるような場合には、展開しても総和が求められないという事態になってしまうので、和の中抜けを知らないと厳しくなります。

例題について、

k(k+1)(k+2)(k+3)=15{k(k+1)(k+2)(k+3)(k+4)(k1)k(k+1)(k+2)(k+3)}\begin{align*}&k(k+1)(k+2)(k+3)\\=&\frac{1}{5}\{k(k+1)(k+2)(k+3)(k+4)-(k-1)k(k+1)(k+2)(k+3)\}\end{align*}

と変形できるので、g(k)=15(k1)k(k+1)(k+2)(k+3)g(k)=\frac{1}{5}(k-1)k(k+1)(k+2)(k+3)とすれば和の中抜けが使える形になっていることが分かりますね。

答案を作ると以下のようになります。

k=1nk(k+1)(k+2)(k+3)=15k=1n{k(k+1)(k+2)(k+3)(k+4)(k1)k(k+1)(k+2)(k+3)}=15{n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)(11)1(1+1)(1+2)(1+3)}=15n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)\begin{align*}&\sum_{k=1}^{n}k(k+1)(k+2)(k+3)\\=&\frac{1}{5}\sum_{k=1}^{n}\{k(k+1)(k+2)(k+3)(k+4)-(k-1)k(k+1)(k+2)(k+3)\}\\=&\frac{1}{5}\{n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)-(1-1)1(1+1)(1+2)(1+3)\}\\=&\boldsymbol{\frac{1}{5}n(n+1)(n+2)(n+3)(n+4)}\end{align*}

等差数列×等比数列の総和

等差数列×等比数列の総和を求める問題としては以下のような例題があります。

k=1n(2k+1)3k\sum_{k=1}^{n}(2k+1)3^k

を計算せよ。

等差数列×等比数列の総和を求める方法としては、公比をかけて差を取るという手法が教科書で紹介されており、非常にメジャーですが、その計算方法は計算ミスが起こりやすく、おすすめできません。

そこで、和の中抜けを用いると計算ミスなく求めることができます

等差数列×等比数列の総和は和の中抜けを用いることで計算ミスをしなくなる!

私はこの方法を覚えてから等差数列×等比数列の総和計算で一度もミスをしたことがありません。

 

(2k+1)3k=g(k+1)g(k)(2k+1)3^k=g(k+1)-g(k)

を満たすような関数g(k)g(k)は、

g(k)=(ak+b)3kg(k)=(ak+b)3^k

のような形をしていることが予想できるので、そのようなa,ba,\,bを求めましょう。

 

(2k+1)3k={a(k+1)+b}3k+1(ak+b)3k(2k+1)3k=(2ak+3a+2b)3k\begin{align*}&(2k+1)3^k=\{a(k+1)+b\}3^{k+1}-(ak+b)3^k\\\Leftrightarrow &(2k+1)3^k=(2ak+3a+2b)3^k\end{align*}

これがkkについての恒等式になっていればよいので、係数を比較して、

{2=2a1=3a+2b{a=1b=1\begin{align*}&\left\{\begin{array}{l}2=2a\\1=3a+2b\end{array}\right.\\\Leftrightarrow &\left\{\begin{array}{l}a=1\\b=-1\end{array}\right.\end{align*}

よって、g(k)=(k1)3kg(k)=(k-1)3^kとおけば、和の中抜けが使える形になっていることが分かります。

計算ミスを減らすには、a,ba,\,bの値が求まってから、

(k+11)3k+1(k1)3k=(2k+1)3k(k+1-1)3^{k+1}-(k-1)3^k=(2k+1)3^k

が本当に正しいかをチェックすることが必要です。

これは暗算でもできるので、必ず検算をする癖をつけましょう。(ここで検算をしなければ和の中抜けを用いるメリットがほとんどなくなってしまいます。)

検算で正しいことがわかったらあとは答案を作るだけです。

k=1n(2k+1)3k=k=1n{(k+11)3k+1(k1)3k}=n3n+1\begin{align*}&\sum_{k=1}^{n}(2k+1)3^k\\=&\sum_{k=1}^{n}\left\{(k+1-1)3^{k+1}-(k-1)3^k\right\}\\=&\boldsymbol{n3^{n+1}}\end{align*}

まとめ

・和の中抜けはg(k+1)g(k)g(k+1)-g(k)と数列を変形して総和を求める手法

・分数数列の和を求めるのには和の中抜けが必要

・連続整数の積の総和は和の中抜けの方がはやい

k4k^4が出てくるときは和の中抜けを使うしかない

・等差数列×等比数列の総和は計算でg(k)g(k)を見つけて検算をすればミスがない

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