二重根号の外し方を問題付きで東大医学部生がわかりやすく解説!

2020-10-30

この記事を読むと分かること

・二重根号とは何か

・二重根号の外し方や注意点

・なぜ二重根号が外せるのか

・二重根号が外せないケース

・二重根号を外す問題3選

二重根号とは?

二重根号とは、根号の中に根号が入った式のことを指します。二重根号は上手い式変形によって、根号の和や差の形に変形できることがあるので、その変形のしかたについて大学入学試験などで問われることがあります。

例えば、10221\sqrt{10-2\sqrt{21}}は二重根号です。

二重根号の外し方は?

二重根号の外し方は、以下のようになります。

二重根号は、

±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}

となるような2数a,b(ab)a,\,b(a\leqq b)が見つかれば、

b±a\sqrt{b}\pm\sqrt{a}

と外すことができる!

これについて、10221\sqrt{10-2\sqrt{21}}という二重根号を外す問題を例に取って解説していきます。

±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}となる2数を見つける

10221\sqrt{10-2\sqrt{21}}を例にすれば、「足して10になり、かけて21になるような2数を見つける」というのが2重根号を外すための作業となります。

今回の例で言えば、

3+7=10,3×7=213+7=10,\, 3\times7=21

であるので、37がその条件を満たすものになります。

 

二重根号を外すときに必要な作業は因数分解をするときの作業と似ていますね。

大きい方を前に書いて根号を外す

条件を満たす2数が見つかったら、必ず大きい方を前に書いて根号を外すように注意しましょう。今回の例で言えば、7の方が大きいので、

73\sqrt{7}-\sqrt{3}

が二重根号を外した結果となります。

 

必ず大きい方を前に書く」ということに注意しなければならないのはどうしてでしょうか?

それは、

37\sqrt{3}-\sqrt{7}

と書いてしまうと、この値が負になってしまって、元の10221\sqrt{10-2\sqrt{21}}という数が正であることと矛盾してしまうからです。

 

これは、二重根号の中身がプラスになっているケース、例えば、10+221\sqrt{10+2\sqrt{21}}の二重根号を外さなければならない場合には、7+3\sqrt{7}+\sqrt{3}と書いても3+7\sqrt{3}+\sqrt{7}と何ら問題ないわけですが、

マイナスのときに起こりやすいミスを防ぐためにも、プラスのときでも大きい方を前に書くというのを徹底しておくのがおすすめです

 

さて、二重根号の外し方をとりあえず解説しましたが、なぜこのやり方で二重根号が外れたと言えるのでしょうか?

なぜ二重根号が外れるのか

二重根号の外し方の証明

(a+b)±2ab\sqrt{(a+b)\pm 2\sqrt{ab}}

となるような2数a,b(ab)a,\,b(a\leqq b)が見つかったとき、どうして、

b±a\sqrt{b}\pm\sqrt{a}

と二重根号を外すことができるのでしょうか?

 

±\pmと毎回書いていると見づらいので、プラスの場合だけに絞って証明してみましょう。

(a+b)+2ab\sqrt{(a+b)+ 2\sqrt{ab}}

となっているとき、根号の中身は、

(b+a)2=b+a+2ab(\sqrt{b}+\sqrt{a})^2=b+a+2\sqrt{ab}

より、

(b+a)2\sqrt{(\sqrt{b}+\sqrt{a})^2}

と書き直せることが分かると思います。

 

2乗したもののルートは、元の数の絶対値に等しいので、

(b+a)2=b+a\sqrt{(\sqrt{b}+\sqrt{a})^2}=|\sqrt{b}+\sqrt{a}|

となりますね。

さらに、絶対値の中身が正になっているので、

b+a=b+a|\sqrt{b}+\sqrt{a}|=\sqrt{b}+\sqrt{a}

となることがわかりました。

マイナスのときも同様に示すことができます。

二重根号が外せないケース

二重根号は必ずしも外せるわけではないということに注意しましょう。例えば、

623\sqrt{6-2\sqrt{3}}

は二重根号を外そうとしても外れないです。

 

複雑な計算をしていった結果、出てきた答えに二重根号が含まれるということはたまに起こりますが、先ほど解説した二重根号の外し方を試みて、うまくいかなければその二重根号は外せないものとして、そのまま回答するのがよいです。

 

例えば、2010年に実施された東大模試の数学の問題で、

1+1+843423\frac{1+\sqrt{1+8\sqrt[3]{4}}}{4\sqrt[3]{2}}

というのが答えになる問題が出題されましたが、この二重根号を外すことはできないので、そのまま回答するしかありません。

二重根号が関わる問題

二重根号の外し方がわかったら、問題を解いていきましょう!±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}の形に持っていくまでに一工夫必要な応用問題も入れているので、ぜひ解いてみてください。

問題1

問題

18277\sqrt{18-2\sqrt{77}}

の二重根号を外せ。

解答・解説

二重根号を外すためには±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}となる2数を見つければOKですね!

今回であれば、7と11がその2数になります。さらに、答えを書くときには必ず大きい数の方を前に書くことに注意するんでしたね。

答えは、

117\boldsymbol{\sqrt{11}-\sqrt{7}}

問題2

問題

29380\sqrt{29-3\sqrt{80}}

の二重根号を外せ。

解答・解説

二重根号を外すためには±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}となる2数を見つける、というのが鉄則ですが、今回の問題は、中の根号の係数が3となっているため、この形と合わないですね。

こういうときは、無理矢理±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}の形になるような変形を施してみましょう。

 

380=809=22093\sqrt{80}=\sqrt{80\cdot9}=2\sqrt{20\cdot9}

と変形することができることに注意すれば、

29380=292209=209=253\begin{align*}\sqrt{29-3\sqrt{80}}=&\sqrt{29-2\sqrt{20\cdot9}}\\=&\sqrt{20}-\sqrt{9}\\=&\boldsymbol{2\sqrt{5}-3}\end{align*}

と二重根号が外せることが分かります。

 

上でも強調しましたが、大きい方を前に書くことに注意を払いましょう。この問題で

3253-2\sqrt{5}

と書いてしまうと負の値になってしまうので誤りとなってしまいます。

問題3

問題

521\sqrt{5-\sqrt{21}}

の二重根号を外せ。

解答・解説

何度も同じことを述べますが、二重根号を外すためには±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}となる2数を見つけます。今回の問題は、中の根号に係数がついていないため、この形と合わないですね。

問題2では、中の根号の中身が4の倍数になっていたので、それを外に出すことによって係数の2を作ることができましたが、今回の場合はそれもできないので、分母分子に2をかけることによって係数の2を登場させます

 

5321=102212=102212\sqrt{5-3\sqrt{21}}=\sqrt{\frac{10-2\sqrt{21}}{2}}=\frac{\sqrt{10-2\sqrt{21}}}{\sqrt{2}}

と変形することによって、分子に±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}の形を登場させることができました。

条件を満たす2数として3と7があるので、

102212=732\frac{\sqrt{10-2\sqrt{21}}}{\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{7}-\sqrt{3}}{\sqrt{2}}

と変形できますね!

あとは、分母の有理化を行うと、

1462\boldsymbol{\frac{\sqrt{14}-\sqrt{6}}{2}}

となります!

ちなみに、分母の有理化はやってもやらなくてもどちらでも大丈夫です。

まとめ

・二重根号とは根号の中に根号が入った式のこと

・二重根号を外す時は

±2\sqrt{\text{和}\pm 2\sqrt{\text{積}}}

を満たす2数を見つける

・答えを書くときは大きい方を前に書くことに注意する

・二重根号は必ず外せるわけではないので、二重根号の形が答えになることもある

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